(TC16)インテリジェント実装技術研究会　2021年度 第1回 公開研究会　(2021年11月4日13:30～WEB開催)

本研究では，空気駆動式全人工心臓の拍出流量推定方法に関する検討を行った．ダイアフラム型血液ポンプへ空気を供給するエアーホース内の駆動圧，空気質量流量と相関のあるセンサ値，拍動数，収縮期比を入力とし，1回拍出量を出力するNeural Networkを構築し，未学習データによる推定を行ったところ，実測値と推定値の相関係数はR=0.9917，平均二乗誤差はMSE=1.9465と良好な推定結果を得ることができた。

14：05～14：35
「深層学習を使用したイメージカテゴリ分類からなるエキスパートシステムの提案と医療分野への応用」
　　張浩浩，松井滉太，齊藤千真，茂木和弘，白石洋一（群馬大学）

本講演では，新しい画像のカテゴリ分類手法を提案する目的である。従来の生の画像データのみで深層学習を行う手法と異なり，人間のように高度で幅広い情報を用いて，画像のカテゴリ分類に対し，高精度のエキスパートシステムを提案，構築した。医学の眼科分野では，糖尿病黄斑浮腫における硝子体手術予後の予測について有効性が確認できた。

14：35～14：50　休憩

14：50～15：20
「機械学習を用いた新生児用ECMO における血管壁吸引の推定方法に関する研究」
　　廣瀬陸，塚原彰彦，本間章彦（東京電機大学）

体外循環を使用した生命維持装置の体外式膜型人工肺（ECMO）運転中における回路関連合併症の一つとして血管壁吸引による脱血不良がある。本研究では，ECMOにおける血管壁吸引を推定する機械学習モデルを検討した。ECMO模擬実験で計測した脱血カニューレ部の脱血圧力波形を入力として教師あり学習を行った。機械学習の決定木の手法より血管壁吸引の推定をおこなった結果，正解率は95.7％（90/94）であった。機械学習による脱血圧力波形に基づくECMOの血管壁吸引推定の可能性を示した。

15：20～15：50
「AI技術を用いたバッテリ電流波形の異常診断」
　　堀川 敦（日産自動車株式会社）

車両安全性に関係性の低い電子ユニットは，オンボード診断の代わりに検査員判定による出荷検査を行っている。このようなユニットの新しい異常検出手法としてバッテリ電流波形から，AI技術の一種であるレザバーコンピューティングによって検出する手法を開発中である。バッテリ電流は，複数ユニットの動作電流が重畳した複雑な波形となっているが，微小電流ユニットの動作検出に成功した。最新の研究成果を紹介する。

15：50～15：55　開会挨拶
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