巻頭言

会長就任にあたって

多田 邦雄


  このたび5月10日付で会長に選任されました。本学会発展のために全力を尽くしたいと存じますので、よろしくご支援ご協力下さるよう、お願い申し上げます。
 さて1998年4月にエレクトロニクス実装技術協会(SHM)と回路実装学会(JIPC)が合併し、エレクトロニクス実装学会(JIEP)が誕生してから、2年が経過しました。この間、学会の各組織は統合拡大整備されると共に、運営方法にも多くの融合化調整や改善が加えられ、新学会の基礎固めはほぼ完了したといえましょう。それにより、合併の効果も種々の形で明白に現れてきました。ご尽力された川西剛前会長はじめ関係者各位に深く感謝申し上げます。
 合併の効果で最も顕著なものの一つは、大会等の各種研究集会の増加と、そこでの発表論文と参加者の大幅増加であります。例えば、3月の学術講演大会では論文数が157、参加登録者は1000名の大台を越えて1058名に達し、前年を22件、160名上回っています。マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES)は毎年開催に進化し、昨年10月には初めて関西で開催されて、論文数86件、参加者数420名の盛会でした。
 また4月の国際会議IEMT/IMCシンポジウムも盛会で、参加者数418名、海外からの参加者も70名に達しました。併催のマイクロエレクトロニクスショーも昨年以来、来場者が急増しており、両方合わせて大宮の会場では手狭となったため、来年は東京流通センターに会場を移す予定です。
 これらの他、国際実装技術フォーラム'99をはじめ当学会主催の、あるいはエコデザイン'99ジャパンシンポジウムなど他学協会との共催のものも含め、当学会の各種研究集会や会合は、合併以来そのカバーする学術技術分野や数が相当増えております。このような論文発表の増加は必然的に会誌の充実につながるはずで、現在年7回刊行の会誌も遠からず毎月刊行化に向かうものと期待されます。
 新学会の基礎固めが終わり、活動力や会員へのサービス力の向上が明白になった現時点では、会員増強活動を始めることが急務と考えております。現在の個人会員数は約2400名ですが、今日のエレクトロニクス実装技術への関心の高まりや産業の規模から判断すると、この会員数では過少であり、本学会の力が社会に十分に認識され有効に活用されるよう努力する必要があります。20世紀から21世紀へ遷移する本年から来年にかけて、まず、会員数3500名を目標に活動することを提案いたします。良い便利な名簿を早急に作成配布すること、ホームページを充実すること、各種会合の際に入会勧誘受付を行う態勢を確立すること等、具体的方策は理事会、事務局で至急検討願いたいと存じますが、何よりも会員増強への現会員各位のご理解ご協力(入会ご勧誘活動も含め)が最も重要と思いますので、どうかご賛同くださるよう、またご意見ご提案をお寄せ下さるよう、お願い申し上げます。

(JIEP会長,横浜国立大学教授)
「エレクトロニクス実装学会誌(Vol.3, No.4)」巻頭言より


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